- 肌に小さな赤い点々があるんだけど、ダニに刺されたのかな?
- 最近布団に近づくと、くしゃみが止まらなくなるのはダニのせい?
- ダニの被害にあった時の治療法は?
「咳、くしゃみ、痒みに毎日悩まされている」
「朝起きたら、体に汗疹に似た赤いブツブツができていた」
という方は、ダニが原因かもしれません。しかしダニは肉眼で見つけるのが難しいくらい小さな虫なので、近くにいても気づけません。
体の不調は起きたとしても、ダニが原因かどうかの判断はとても難しいですよね。
判断しづらくても、諦めて放置してはいけません。ダニが原因だった場合、被害は日を追うごとに増えていくので、すぐに対処しなければ悪化します。
ダニの被害といえば、ダニ刺されやダニアレルギー、疥癬(かいせん)などが挙げられますが、どのケースにおいても早めの対処が肝心です。今回はダニの被害や症状について解説します。
- 被害報告や症状と照らし合わせることで、ダニが原因かを判断できる
- ダニの被害にあった時の治療法をご紹介
- 再発防止のために、ダニ対策をご紹介
家の中でおきるダニの被害は、「ダニアレルギー」や「ダニ刺され」、「疥癬(かいせん)」の3種類です。対して野外で注意したいのは「マダニ」による被害です。
それぞれ、いったいどんな被害が出ているのでしょうか?
こちらの記事を読めば、突然できた腫れや痒み、体の不調がダニのせいなのか、判断する際に役立ちます。また、治療法やダニが布団に集まる理由などもまとめました。
ダニはしっかり駆除しなければまた刺されてしまうので、再発防止のダニ対策についてもご紹介します。
Contents
【家の中】ダニアレルギー

実は布団にいるダニの9割がチリダニ(ヒョウダニ)だと言われていて、このチリダニこそがアレルギーの原因になるダニです。
人を刺さないダニであれば一見無害そうですが、刺されなくてもダニの死骸やフンでアレルギー症状を起こし、痒みや咳、くしゃみなどに苦しめられてしまいます。
まずはそんなダニアレルギーの被害にあった人の話を聞いてみましょう。
〈被害報告〉ダニアレルギーに悩まされた事例
目が痒いし湿疹みたいなの出来てるし、顔痒いしで、ダニとか沸いてるかもしれない。鼻水とくしゃみが激しいしアレルギーっぽい
— ぽけます (@Pokemomn) May 24, 2021
- 咳、くしゃみ、鼻水が止まらない
- 目や肌の痒みや、湿疹が出る場合もある
- 埃などを吸い込むとアレルギー症状が出る
ダニアレルギーの場合は、ダニの発生源である布団などに近付いたり、掃除中にたくさんダニの死骸やフンが混じっている埃を吸ってしまった際に起きるようです。
痒みや咳、くしゃみ、鼻水の症状を訴える方が多く、一度アレルギー症状が出てしまうと、それ以降何度もアレルギー症状に悩まされてしまいます。
ダニアレルギーの症状
- 鼻水、鼻詰まり、くしゃみが止まらない〈アレルギー性鼻炎〉
- 喉がイガイガする、咳が出る、呼吸困難〈喘息(気管支炎)〉
- 体が痒い、湿疹が出る〈アトピー性皮膚炎〉
- 目が痒い、充血する〈アレルギー結膜炎〉
ダニアレルギーは、原因になるダニ自体は人を刺さない無害なものですが、そのダニの死骸やフンがアレルギー症状を引き起こすアレルゲンとなってしまいます。
ダニの死骸やフンを寝ている間に吸い込んだり、肌や目に入り込んでしまうと、アレルギー性鼻炎や喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー結膜炎といった症状に見舞われます。
アレルギー性鼻炎や喘息、アレルギー結膜炎は、空気中に舞っているダニの死骸やフンを吸い込むことによって起き〜ます。そのため部屋をよく喚起している暖かい時期より、部屋を締め切って暖房を使う冬の方が症状が悪化してしまいます。
アトピー性皮膚炎は、皮膚にかゆみを伴う湿疹を繰り返す皮膚炎です。まぶた、首、ひじやひざの裏側、腹部、お尻などの部位に湿疹が現れます。ダニアレルギーの人は、鼻炎や結膜炎などと併発しやすいので注意が必要です。
ダニアレルギーの特徴
- 一度発症したら、ダニの死骸やフンを吸い込む度に何度も発症する
- ダニアレルギーではない人でも、アレルギー物質を吸い込みすぎたら症状が出る
- 夏頃からアレルギー症状に悩まされる人が増え、秋にピークを迎える
- 1年通して症状が出る可能性がある
ダニアレルギーは発症してしまったら、花粉症と同じでアレルギー物質を吸い込むたびに症状が出てしまいます。しかし花粉症と違うのは、1年通してアレルギーが出る可能性があるという点です。
ダニアレルギーの被害は秋にピークを迎えます。それは夏にダニが繁殖し、大量に発生する事が関係しています。ダニが大量発生するとフンの量が増え、夏が終わる頃にたくさん死骸も蓄積されるので、秋はほかの季節よりもアレルギーが発症しやすくなるのです。
しかしダニのアレルゲンが増えるピークを過ぎたとしても、ダニは家の中で活動を続けます。冬場も家の暖かいところに潜み繁殖しているので、ピークが過ぎた冬でも被害は無くなりません。
またダニアレルギーを持っていない方も油断はできません。ダニの死骸やフンが含まれた布団で寝ているとアレルギー物質の許容量を超え、アレルギー症状が出てしまいます。
ダニアレルギーの原因になる、チリダニの生態についても詳しくみていきましょう。
【チリダニ】ヒョウダニの総称、体調0.3mmほど
- 人のフケやアカ、髪の毛、カビ類などを餌とする
- 死骸やフンがアレルギーの原因となる
- 吸血はしない
- 一年を通して室内に生息する
- チリダニの寿命は2~3ヵ月程度
チリダニはツメダニという人を刺すダニの餌になるので、放置してしまうとツメダニが増える原因にもなります。そうするとツメダニに刺される危険性も高くなるのでご注意ください。
ダニアレルギーの治療法
ダニアレルギーは医療機関で受診し、治療が必要です。アレルギー症状なので、薬で一時的に症状を押さえ込むだけでは改善に至りません。
医療機関では次のような治療法を実施しています。
- 抗アレルギー薬の服用
今あるつらい症状を改善するために使われます。
- アレルゲン免疫療法
ダニアレルギーの根治が期待できます。病原となるアレルゲン(ダニエキス)を持続的に体内に投与することで、ダニに対する免疫をつけて、アレルギーを起こしにくくする治療です。「皮下免疫療法」「舌下免疫療法」の2種類があります。
治療期間は最低でも2〜3年と長いですが、健康保険で行え、約70%の人に効果があります。
ダニはどこにでもいて、完全に室内から排除することは難しいです。ですが、どんなに上記のような治療を繰り返しても、家庭環境からアレルゲンを排除する対策をとらなければ根本的な解決になりません。
症状にお悩みの方は、記事の後半でダニ対策について記載していますので、そちらを参考にダニの駆除やアレルゲンの除去をしてみて下さい。
他にアトピー性皮膚炎の場合は、乾燥肌の人に起きやすく、皮膚表面の角質が荒れてアレルゲンが進入しやすくなることで、かゆみを感じるようになります。
アトピー性皮膚炎を発症しやすい方は、普段から肌をしっかりと保湿して、肌のバリア機能を高めておくことが予防につながります。
【家の中】ダニ刺され

気づいたら赤い虫刺されのような腫れができていて、痒みもあったら不安になりますよね。
こちらではダニに刺された時の被害報告や症状について解説しますので、ご自身の症状と照らし合わせてみてください。
またダニに刺されたと分かった場合の治療方法もご紹介しますので、早めに痒みと腫れを抑えるために実践して頂けたらと思います。
〈被害報告〉ダニに刺された事例
昨日朝起きたときから太もも辺りがめちゃくちゃ痒くてこれ蚊の痒みじゃいなと思って調べてみたらダニっぽいな。痒い。
— おりがみ (@0rigami3) August 23, 2019
https://twitter.com/5711_kjsm/status/1301594056242331650?s=20
- 寝ている時に被害にあいやすく、朝起きた時に気付くことが多い
- 小さな赤い虫刺されのような跡ができている
- 強い痒みがある
ダニの被害報告を確認て分かったのは、ダニに刺されたと気付いたのは、朝起きたタイミングという人が圧倒的に多かった事です。
朝起きたら体に虫刺されの跡ができていて、痒くてたまらないなんて、朝から最悪ですよね。しかも蚊と違って肉眼では見つけられないし、音もしないので、近くにいても分からなくて本当に厄介です。
それではダニ刺されの症状について詳しく解説します。
ダニ刺されの症状
- 汗疹のような赤い発疹
- 刺された翌日、または翌々日に強い痒み
ダニに刺された時の症状は、汗疹のような小さな腫れができて、とても痒いという事です。
刺された人の中には稀に痒みを感じなかった、という人もいますが、基本的には刺された翌日か翌々日には痒みが出てきます。
そして厄介なことにその痒みや腫れは、1週間ほど続きます。
ダニ刺されの特徴
- 数日にわたり何箇所も赤い発疹が増えていく
- 同じような場所を何箇所か刺されている
- ダニの被害は5月〜9月の時期に増える
冬場隠れていたダニたちは、繁殖の季節である5月〜9月に行動が活発になり、大発生します。そうすると、偶発的に住処を求めて家の中に侵入し、ダニの被害が増えます。
人を刺すダニは、付近を何箇所か刺すという特徴があります。
また、ダニが近くに潜伏した状態を放置してしまうと、続けて何度も刺されてしまいます。つまりダニに刺された日に何も対策しなければ、次の日にまた刺されてしまう危険性があります。
しかし、上記の特徴は「蚊の場合にも言える事だよね?」と思った人もいるはず。蚊とダニを見分けるためには、ダニの生態について知ればより判断しやすくなります。
人を刺すダニは主に「ツメダニ」と「イエダニ」の2種類で、それぞれ次のような特徴があります。
【ツメダニ】体調約0.4~1.0mm
- 小さな昆虫(人を刺さないダニ)などを餌にする
- 人のフケやアカ、髪の毛、食べクズなども餌になるので屋内に住み着く
- 本来人を刺すダニではないが、畳などに寝転がっていたら偶発的に刺されてしまう
- 服から露出している肌を刺されやすい
- 細かい刺し痕が広範囲に広がっているとツメダニの可能性が高い
【イエダニ】体調約1.0mm
- 特にネズミに寄生するダニで、ネズミの巣や被毛の中に住んでいる
- 哺乳類を吸血するダニ
- 露出した肌よりも、衣類で隠れている柔らかくて吸血しやすい部分を狙う
- 寝ている間に吸血するため、刺されている場面はほとんど見ることができない
- イエダニに刺されると、赤い斑点が現れたり水疱ができることがある
もし家の中でネズミを見かけたら、イエダニも潜んでいる可能性が高いので注意して下さい
ツメダニは服から露出している部分を刺し、細かい刺し痕が広範囲に広がってできるという特徴があります。
対してイエダニは服の中に潜り込み、皮膚の柔らかい部分を吸血するダニで、吸血されたところは赤い斑点が現れたり水疱ができる場合があります。
ダニ刺されと汗疹の見分け方
ダニに刺された時の腫れと、あせもの腫れはとてもよく似ています。
ダニが活発に活動する夏は、暑くて汗をたくさんかく季節でもありますよね。汗をたくさんかいた時に発疹を見つけたら、汗疹とダニ刺されのどちらか見分けがつかなくても仕方ありません。
ではダニか汗疹か症状を見分けるポイントは、一体なんなのでしょうか?
ポイントはずばり、「症状の出ている場所」と「腫れの状態」で見分けられます。
【ダニ】
イエダニは脇の下や内もも、下腹部といった、衣服で隠れている皮膚のやわらかい部分を刺すことが多い。ツメダニは服から露出した部分を刺す。
【汗疹】
汗腺に汗がたまって起こる炎症なので、ひじの裏、ひざの裏、首元などにできる
【ダニ】
イエダニの場合、皮膚の柔らかいところに赤みが点在し、ツメダニの場合は細かい刺し痕が広範囲に広がってできる
【汗疹】
面状に湿疹が広がっているときは、あせもの可能性が高い
上記の症状と照らし合わせてダニに当てはまる方は、次にお話する治療法と記事後半のダニ対策まであわせてお読みください。
ダニ刺されは痒みが数日続くのでなるべく早く治療しましょう。
ダニ刺されの治療法
室内のダニによる虫刺されは、強いかゆみを伴うので、適切なケアを怠ると掻き壊して傷ができてしまいます。
掻き壊してしまう前に早くきれいに治すためには、充分な強さのステロイド外用剤を使った治療が必要です。
ステロイド外用剤の効果はかゆみ、腫れの元である炎症を強く抑制する働きがあり、虫刺されによるつらい症状をすみやかに抑えてくれます。
虫刺されは掻いて傷を作らない方が良いですか、掻き壊してしまった虫刺されには、抗生物質を配合したタイプのものがオススメです。
また、ステロイドほど高い治癒効果はありませんが、痒み止め成分や局所麻酔の成分が配合されている塗り薬も一時的に痒みを止めるのに有効です。
【症状がひどい場合は皮膚科を受診しましょう】
患部の腫れがひどく痛みがある場合や、広範囲にわたって症状が出ている場合、強い痒みが続く場合は市販薬だけでの治療が困難です。医療機関を受診しましょう。
【家の中】疥癬(かいせん)

疥癬とは、人の皮膚に寄生して卵を産みつけるダニによる被害です。
皮膚に寄生されたらすぐに気付きそうだと思うかもしれませんが、激しい痒みや発疹ができても、汗疹やかぶれと勘違いしてしまい、放置して悪化してしまうケースがあります。
また、疥癬は感染症なので、放置してしまうと身近な人に移してしまう恐れがあります。
症状が一致した場合は早めに医療機関を受診しましょう。
〈被害報告〉疥癬に感染した事例
https://twitter.com/ponzu424/status/1399585572344139782?s=20
https://twitter.com/humming_bird385/status/1270570650902528001?s=20
- 家族みんなが痒みを訴える
- 強い痒みがある
- 汗疹やかぶれの症状と似ているので見過ごしてしまう
疥癬は人から人へ感染するので、発見が遅くなったら家族みんなが痒みを訴えるようになってしまいます。
汗疹やかぶれと見間違えてしまいそうですが、見分けるポイントがあるので、疥癬の症状と特徴をご確認下さい。
疥癬の症状
- 激しい痒み
- ヒゼンダニが寄生した場所に発疹ができる
- 人から人へ感染する
疥癬はダニの一種である「ヒゼンダニ」が人の皮膚に寄生しておこる皮膚病で、腹部、胸部、大腿内側などに激しいかゆみを伴う感染症です。感染すると1~2ヵ月ほど症状がない期間があり、その後かゆみや発疹が出現します。
この皮膚疾患は、スキンシップによって人から人へ感染してしまうので、特に家族間やカップルの間で感染が広がってしまいます。他にも、人が触れ合うことが多い介護施設や病院・保育園などで集団感染を起こす可能性もあります。
直接的に肌から肌で感染する場合もありますし、肌は触れ合っていなくても、衣類やリネン類を介して間接的に感染してしまう場合もあります。また、猫などの動物から移るケースもあるため、飼っている動物が酷く痒がっている時は要注意です。
疥癬の特徴
- わきの下や胸部、へそを中心とした腹部、性器の周辺、大腿部に発生しやすい
- 通常疥癬の場合は、疥癬トンネルや紅斑性小丘疹、結節といったような特徴的な発疹が見られる
- 角化型疥癬の場合は、灰色または黄白色に変色した皮膚の角質がポロポロと剥がれ落ちやすくなる
ヒゼンダニはわきの下や胸部、へそを中心とした腹部、性器の周辺、大腿部に寄生しやすい傾向があります。
この感染症には、通常疥癬と角化型疥癬の2つのタイプがあります。
通常疥癬では、紅斑性小丘疹という発疹が見られます。お腹、胸、わきの下、ふとももの内側などにできる赤いプツプツとした小さな発疹です。
かゆみが非常に強いですが、検査をしてもヒゼンダニが見つかることはまれなので、他の皮膚疾患と間違えてしまう場合もあります。
決定的な症状は、疥癬トンネルという発疹です。疥癬トンネルとは、皮膚の角質に寄生したメスのヒゼンダニが作るトンネルのことで、指の間や手のひら、手首、足などによく見られます。長細い発疹がいくつもある場合は疥癬トンネルの可能性が高いです。
角化型疥癬(ノルウェー疥癬)は、ヒゼンダニが寄生した部分の角質が灰色または黄白色に変色し、角質がポロポロと剥がれ落ちやすくなります。
重い病気をお持ちの方や、ステロイド剤や免疫抑制薬により免疫力が低下している方に見られる重症なタイプの疥癬です。手足やおしりの皮膚がざらざらと厚くなり、頭・首・耳にまで発疹が見られるようになります。
これらの原因のヒゼンダニの生態がよくわかっていません。ヒゼンダニは環境の変化に弱いダニなので、寄生先から離れてしまうとすぐに死んでしまいます。そのため、あまり生態の解明が進んでません。
疥癬の治療法
皮膚科に受診しましょう。ヒゼンダニを殺すことを目的とした飲み薬や、塗り薬を処方してもらえます。塗り薬は正常なところも含めて塗り残しがないように首から下の全身にくまなく塗りましょう。
ときに自然治癒することもありますが、湿疹化したり周りの人に感染させてしまったりすることが多いため、疑われる場合には早めに診断と治療を受けていただくことが大切です。
【野外】マダニ

マダニは人や動物の血を吸血するダニです。近所の公園や森林、ペットの散歩道にも潜んでいる可能性があり、実は意外と身近に潜んでいます。人も動物も、刺される危険性があります。
刺された時は気づかず、体の違和感を感じたところを確認すると、張り付いて吸血しているのを見つけるといったケースが圧倒的に多く報告されています。驚いて引き剥がす人が多いようですが、実は引き剥がす際に注意しなけれがいけない事があります。
吸血中のマダニに対してどのように対処するのが良いかを知っておけば、いざという時に対処できるので、一緒に症状や治療法を確認していきましょう。
〈被害報告〉マダニに刺された事例
会員が先週末に今日行った岩場でマダニに噛まれたらしい。
やっぱり暑くなるとあの岩場はすぐダニだらけになるから行かないほうがいいな。
知り合いも以前岩場で昼寝してたら噛まれて2,3日寝込んだと言ってたしな。— ricky (@OhiruneRicky) May 28, 2021
- 肌に張り付いて吸血する
- 吸血されている時痛みがある
- マダニに噛まれた後の感染症が怖い
気付いたら小さな虫が足や手にくっついていて、血を吸っていたらかなり驚くし、怖くなりますよね。
多くの人は怖くなってすぐに引き剥がしてしまいますが、その後マダニについて調べてみると感染症の恐怖で病院に駆け込む方が多いです。
山に入る時は、熊やハチよりもマダニの方が怖いと言う方がいる程。
そんなマダニに刺された時の症状は次のとおりです。
マダニの症状
- 刺された時の痛みは無いが、後々吸血されている最中に痛みが出てくる
- 吸血された跡は、かゆみや灼熱感、痛みなどの症状が現れる事がある
- 日本紅斑熱やライム病、「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」などの感染症を引き起こす可能性がある
マダニの唾液には麻酔様物質が含まれているので、刺された直後は気づかない場合が大半です。刺されてからある程度時間が経ち、何かくっついているような違和感を感じたり、軽い痛みで刺されていることに気づいたりする事が多いようです。場合によっては1週間しても気づかない方もいます。
吸血された跡は、かゆみや灼熱感、痛みなどの症状が現れる事があります。
お腹いっぱいまで吸血したら勝手に離れてくれるようですが、マダニが満腹になるまで7〜10日ほどかかるので、大抵の人はそれまでの間に見つけて、自分で引き剥がしてしまうようです。
ただ、マダニの怖いところは無理やり引き剥がした時にマダニの口器が皮膚に残り、化膿する恐れがあり、そこから感染症になってしまう危険性があるところです。
マダニは日本紅斑熱やライム病、「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」などの感染症を媒介する可能性があり、数日間の潜伏期間を経て高熱や嘔吐、下痢、刺し口の化膿などで重症化してしまう恐れがあります。
最悪の場合死亡することもあるので、マダニに刺されてしまったら無理に引きちぎらず、そのまま医療機関を受信する方が安全です。
マダニの特徴
- 鹿やイノシシ、野ウサギ等の野生動物が出没する環境に多く生息している
- 太ももや陰部、わき腹などに移動し、時間をかけて吸血する
- 吸血前で3~8mmと大型のダニ、吸血後は吸い出した血液で膨れ上がる
被害にあわないための対策は、野外で活動する際に肌の露出を避ける事です。シャツの袖口は軍手や手袋の中に入れ、シャツの裾はズボンの中に入れましょう。首にはタオルを巻くか、ハイネックのシャツを着用した方が安全です。
マダニは服の裾から入り込み、皮膚の柔らかい部分を狙うので、服に進入できる隙間を作らない事が大切です。
また、虫除けスプレーを使うのも有効です。野外活動後は、入浴や着替えをし、マダニが咬着していないか、チェックしましょう。
マダニの治療法
比較的やわらかい部位の皮膚に咬み付き、セメント物質を分泌して固着し、その後、麻酔様物質の含まれた唾液を分泌し吸血します。そのため、セメント物質で固着したマダニを無理に引き剥がそうとしたらダニの口器が皮膚内に残ってしまい、感染症の原因になってしまいます。
素手では除去しづらいので、できれば自分では引き剥がさずに皮膚科で処置してもらうのがいいでしょう。
マダニに刺されたことに気づいたらすぐに医療機関を受診した方がいいですが、難しい場合は受診するまでの間、体調の変化に注意して安静に過ごしましょう。もし発熱等の症状が出たら、急いで医療機関で診察を受けて下さい。
ダニが布団に住み着くのはなぜ?

- ダニは20℃くらいから活動を始め、25℃前後でもっとも活発になる
- 湿度が60%を超える環境を好む
- 布団にはダニの餌が豊富にある
- 布団の繊維はダニの住処にぴったり
ダニはマットやカーペット類の布製品や埃の中を住処としますが、特に布団を好みます。布団はあらゆる条件でダニが好む環境が揃っているので、ダニにとって最高の繁殖場所です。
ダニは基本的に20℃くらいから活動を始め、25℃前後でもっとも活発になります。この温度は人にとっても過ごしやすいので、必然的にダニを増やしてしまう原因になります。仕方の無いことですが、布団は人が毎晩温めるので、ダニが活動しやすい温度になります。
また、湿度が60%を超えるような環境を好むダニにとって、寝汗が湿度を高めてくれる布団はとても居心地がいいのです。
さらに布団には寝ている間に人のフケやアカが落ちるので、ダニとってエサとなるものが豊富にあることから、繁殖をするのに最高の環境となります。
極め付けに布団の内部は繊維が密集しているため、ダニにとって外敵から身を隠すのに格好の住処になります。
こうしてみると、布団はダニが生息するのに最高な環境といっても過言ではありません。
布団を中心にダニ対策をしよう
布団はダニにとって最高の環境ですが、逆に言えば布団のダニをしっかりと駆除し、こまめに干したりキレイにしたりしていればダニのリスクを格段に下げられるのです。
とはいえ、毎日使う布団をキレイにすると一時的にダニの被害を取り除くことはできますが、それだけではダニの被害を完全には抑えられません。
家の中の他の場所に住み着いているダニがまた布団に移動してきて繁殖してしまうと、被害が繰り返されてしまいます。なので、布団をキレイにする事と併せて、家の中のダニが生息していそうな場所を掃除・洗濯してダニの駆除を行いましょう。
野外にいるマダニの対策方法は「マダニの特徴」に記載していますのでそちらをご確認下さい。
【再発防止】室内のダニの対策は?

【ダニ対策で大切な3ステップ】
- ダニを駆除する
- アレルゲンとなるダニの死骸と糞を除去する
- ダニが増えないようにする
ダニ対策で重要なのは、生活環境に潜むダニをしっかりと駆除することです。
ダニは目に見えないうえに、室内の至る所に潜んでいるので、完全に除去する事はできません。それでも、ダニが潜んでいそうな場所を積極的に掃除・洗濯する事でダニの数を減らし、その後の繁殖を抑える効果が期待できます。
また、ダニアレルギーの場合は駆除した後のダニの死骸やフンがアレルギーの原因になってしまうので、それらのアレルゲンを取り除くための清掃作業も必要です。
そして最後に、再発防止のために、こまめに駆除方法と清掃作業を繰り返しダニが増えないようにするのが大切です。
ここでは、上記の3つのステップに分けてダニの対策方法について解説します。
ステップ①ダニの駆除方法
ダニは繁殖力が強く、18日~29日で卵から孵化し、成虫のダニに成長するまでには2ヶ月程度かかります。寿命は3ヶ月~1年程度で、その間に産卵をして爆発的に数が増えしまいます。
この産卵のサイクルも考慮して、1〜2ヶ月に1度はしっかりとダニの駆除やアレルゲン除去を行うと、効率的にダニの被害を減らすことができます。
まずはダニの駆除方法です。
【ダニ駆除に必要なこと】
- 除湿
- 掃除
- 換気
ダニは湿度の高い環境を好むので、除湿機などを置いて部屋の湿度を下げたり、布団を干して湿気を飛ばすだけでも活動が抑えられます。
また、換気をすると室内に舞っているアレルギー物質を外に出す事ができ、部屋にキレイな空気を入れるのでアレルギー症状の発生を防げます。
そして、ダニがいそうな場所をしっかり掃除する事でダニの駆除につながります。
例えばチリダニが好むのは、湿気のある布団、押入れ、家具の裏、カーペット、畳、カーテン、ぬいぐるみなどです。つまりダニが潜みやすい布製品や畳があるところ、湿気や埃が溜まりやすいところを好んでいるので、そこを掃除すればダニを除去できるのです。
湿気や埃が溜まりやすいところは、換気と掃除で駆除ができますが、布製品や畳についているダニは叩くだけでは簡単に取れません。
繊維の奥に入り込んでいたり、繊維にしがみついてしぶとく住み着いているので、次のような駆除方法を試してみましょう。
【布製品や畳にいるダニの駆除方法】
※布団、カーペット、クッション、カーテン、ぬいぐるみ、畳などに有効
- 天日干し
- 布団乾燥機(ダニ駆除コースがあると◎)
- 衣類乾燥機(50℃以上、30分程度乾燥する)
- 薫製タイプの薬剤
- ダニ取りスプレー
- ダニ対策シート
この中で即効性があるのは布団乾燥機と衣類乾燥機、薫製タイプの薬剤、ダニ取りスプレーです。
天日干しの場合は、直射日光が当たっている面から逃げたダニが影になっている裏側に移動するので、裏返して再度干す必要があります。
また、天日干しでは温度が足りずダニがしっかりと死滅しないのでは?と心配な方は、布団干し袋という天日干し用の黒いカバーに布団を入れて、温度を高める方法もありますのでぜひご利用ください。
また、ダニ対策シートはダニ除けの効果のあるシートを布団の下に敷く方法です。殺虫作用があるものでは無く、あくまで虫除けなので、ダニが逃げていくまでに時間がかかります。
詳しいダニの駆除方法や、乾燥機などの使い方はこちらの記事に記載してありますので、ダニの駆除をしたい方は併せてお読み下さい。

こちらではダニ取りスプレーについて詳しく紹介していますのでご一緒にどうぞ。

布団乾燥機はカビ対策にも有効です。布団乾燥機の購入を検討されている方は、こちらの記事も参考になります。

吸血する「イエダニ」の場合は、上記の駆除方法に加え、発生源であるネズミの駆除と巣の撤去もしなければ問題の解決になりません。
イエダニはネズミの巣内で大発生した後、あらたな住処を求めて屋内に侵入し人を吸血します。そのため、イエダニを駆除したければ寄生されているネズミも駆除しなければなりません。
また、ネズミの駆除だけ行って巣を放置しておくと、巣に残ったイエダニが吸血源を求めて人を吸血しにきてしまうので、巣の撤去も行いましょう。
ステップ②アレルゲンとなるダニの死骸と糞を除去する
【布製品に付着したアレルゲンの除去方法】
※布団、カーペット、クッション、カーテン、ぬいぐるみなどに有効
- 洗濯
- クリーニングに出す
- 掃除機、布団掃除機
ダニを駆除したら、ダニアレルギー対策に死骸の除去も必要です。ダニアレルギーに悩む方は、駆除して満足せずに、死骸やフンまで取り除くように心がけましょう。
布製品は水洗いできるものとできないものがあるので事前に洗濯表示を確認して、水洗いできる物は洗濯しましょう。水洗いで生きたダニを死滅させることは難しいですが、死骸やフンを取り除く方法としては有効です。
布団も種類によって丸洗いが難しいものがありますが、シーツとカバーを洗うだけでもアレルゲンの除去に繋がりますので、布団から外してこまめに洗濯しましょう。
また、家庭で洗うのが難しい布団の場合は、クリーニングに出すと洗濯のプロが中まですっきり洗い上げてくれます。
クリーニング業者にお願いする場合はこちらの記事を参考にどうぞ。


一番いい方法は布団掃除機で使い吸い出す方法です。布団掃除機は紫外線を当ててダニを死滅させながら吸い出してくれるものや、叩き出す昨日が付いているものがあり、効率的にアレルゲンの除去ができます。
布団掃除機を使う前には、布団を天日干しや洗濯をすると、ダニが死んでよりキレイに掃除できます。
カーペットには普通の掃除機でOKです。カーペット用の機能やノズルが付いている掃除機だと、繊維の中からアレルゲンを吸い出してくれるので更にいいですね。
【布団たたきは逆効果!?】
布団を干したあとに布団たたきを使うと、ほこりやダニなどの汚れをしっかり落とせた気がしますが、実はほこりやダニは除去できていません。
むしろ布団を叩くことでダニの死骸やフンが細かく砕かれ、布団の表面に出てきてしまうので、アレルギー症状の悪化につながります。
また生きているダニは衝撃に驚き布団のなかに隠れてしまいますし、お布団の中綿を損傷してしまうので叩いてもいい効果はありません。強いていえばストレスが解消できるだけです。
布団たたきは「布団を叩く」のではなく「布団を撫でる」ようにして使うのが正しい使い方です。ある実験で、布団たたきは「叩く」よりも「撫でた」方がお布団の表面の汚れが落ちることが証明されていますので、撫でるよに使って下さい。
ステップ③ダニが増えないようにする
【ダニの発生源になりやすい布団でできる対策】
- ダニ対策シート
- 布団を敷きっぱなしにせずこまめにたたむ
- こまめにシーツの交換
- 布団の上で飲食しない
- 押し入れに保管したままにしない
- ダニが増えづらい高密度なシーツを使う
- 防ダニの布団を使う
ダニ対策で大切なのは、何度も言いますがこまめに掃除、換気、除湿をすることです。
とはいえ、布団の上げ下げやシーツの洗濯はたまにしかできない人もいると思います。
その場合は、ダニ対策シートや高密度なシーツ、防ダニの布団を使われるとダニが布団に住み着くのを抑えられます。
押し入れに入れっぱなしにしていると、どんどんダニが蓄積されてしまうので、たまにはひっぱり出して干すのがオススメです。
生活空間の中でダニを繁殖させないように、日頃からダニ対策を生活に取り入れていきましょう。
まとめ
- 〈ダニアレルギー〉ダニの死骸やフンはが原因で、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎などの症状が出る
- 〈ダニ刺され〉刺されると汗疹のような発疹と強い痒みを伴う
- 〈疥癬〉人から人に感染し、特徴的な発疹や肌の変化があり、激しい痒みに襲われる
- 〈マダニ〉野外で刺され、しがみ付いた状態で吸血、感染症の危険がある
室内のダニの場合、布団をきれいにしただけではダニの被害が再発してしまいます。近くに潜んでいたダニがまた布団によってきて繁殖しないように、周りの環境からダニを排除する事がとても重要です。
ダニの活動が活発になる梅雨〜秋の季節に向けて、ダニを増やさない、もしくは増えてしまったダニを徹底的に除去するために早めに対策しましょう。
最後に、ダニの被害かそれとも他の原因があるのか、判断に困っている方はこちらのweb診断を利用してみるもオススメです。

画像引用:Danny / アース製薬
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